※初めに、この記事は、税金を滞納している方を誹謗中傷する意図は全くありません。
税金徴収の職場って辛そう、怒鳴られそう、殴られそう、などあまりいいイメージはないかもしれません。
正直、私はそう思ってました
今回は、実際に私が徴収職員になる前に不安に思っていたことと、実際になってみて考えすぎだったなと思ったこと、またその経験から、私が感じたことを書いてみようと思います。
ギャップ1 暴力を振るわれることは1度もなかった
税金の徴収の現場ってどんなイメージがありますか?
税金の支払いをお願いして、怒鳴られる、暴力を振るわれる、などあまりいいイメージはないかもしれませんね。
そういう私も、配属された時に
刺されるかもしれない・・・・、人生終わった・・・・
と不安になっていました。
そして徴収員として配属されてからは、半年間は怖くて、税金の支払いのお願いなんてとてもできたものではなかったことを覚えています。
そんな私も、後輩に叱られて、徴収することは「滞納している方を苦しめることではなく、お互いにとって大切なこと」だとマインドが変わっていくのですが、それはまた別のお話です。
話がそれましたが、そんなバイオレンスなイメージの税金徴収の現場ですが、5年間税金徴収をやってきて暴力を振るわれたことは1度もありませんでした。
- 目の前で椅子を蹴られる
- 罵詈雑言を浴びせられる
といったことは結構ありましたが、身体的に暴力を振るわれることは0でした。
いや、その経験だけでも十分嫌なんですけど・・・
と思うかもしれませんが、身体的な怪我が一回もなかったのは本当に良かったなです。
罵倒されて心が病みそうなものですが、人間は慣れる生き物です。
そのうち怒鳴られても、何も感じなくなりました。
ギャップ2 普通の人が以外にも滞納している
税金を滞納する人ってどんなイメージがありますか?
私は、徴収職員として現場を知る前まで、税金を支払えない人は
- お金のない貧乏な人
- 明日のご飯を食べることもできないような貧困状態の人
だと漠然と思っていました。
そして、
そんな方から税金を徴収するって、ひどいことをしているようで嫌だな・・・
と感じていました。
もちろん、上記のような方が1人もいなかったとはいいません。
しかし、実際に徴収の現場を経験していく中で感じたことは「案外普通の人も滞納している」ということです。
というのも、そもそも「税金は資産のない人にはかからない仕組み」になっています。(消費税などは除きます。あくまで、自治体レベルの税金の話です)
- 収入があるから住民税
- 不動産があるから固定資産税
- 自動車があるから自動車税
を支払わなければいけません。(不動産や車が本当に資産になっているのかは別の問題です。実際、車や家のローンで苦しんで、車や家を売っても借金だけが残り、税金を滞納している人をごまんと見てきました。)
なので、
- 給与をもらって働いている
- 家を持っている
- 車を持っている
このような人でも税金を滞納している、ということは驚きでした。
ギャップ3 取り立て屋みたいなことはしない
税金の徴収するってどんなイメージがありますか?
- 借金取りみたいに家に押しかける
- 支払ってもらえるまで何度もお願いする
といった方法で、税金を回収するイメージがあるかもしれません。
私はありました。
ですが、こういった方法で税金を徴収する自治体は減っていると感じています。
もちろん、何度かは電話をしたり自宅を訪問して税金の支払いをお願いします。
でも、それで支払ってもらえない場合は財産を差押して、強制的に回収をします。
というのも、税金の滞納を長引かせると
- 延滞金が増えて、滞納者により多くの金銭的負担が発生し、より苦しめることになる
- 延滞金が増えるほど、自治体側も回収が困難になる
ということを自治体は、よく知っているからです。
なので、支払いのお願いは最小限にとどめ、税金の滞納は長引く前に、差押えをすることで解消していました。
差押えまでの流れは下記で解説しているので興味のあるかたはご覧ください
実際に体験してみることはやっぱり大切
ギャップを書き出してみて改めて思うことは
「実際に体験してみることは大切」
だということです。あれこれ頭の中で考えるだけでは不安ばかりが増えていきます。
不安に思っていたけどやってみたら意外にに違ったということはたくさんあります。
もちろん、想像どおりとは言わずともやっぱりしんどかったり、辛い体験もありますが、だいたいなんとかなりました。
不安に思った時は、「とりあえず体験してみる」の精神で何事にも取り組んでいきたいものです。
今日はこのへんで。
- 頭の中で考えるより、実際に体験してみたほうが早い